コラム
2025/08/07
ロケ撮影の代替案として注目!文化財や遠隔地も再現可能なCG背景の魅力
ロケ撮影は映像にリアリティを与える手法の一つですが、文化財や遠隔地での撮影には多くの制約があります。アクセスの困難さ、天候リスク、保護対象への配慮、そして撮影コストの高さなどが主な課題です。
こうした課題を解決する手段として、いま注目を集めているのが「CG背景」を活用したロケ代替です。
本記事では、文化財の内部空間や遠隔地の自然風景などを高精度に再現する森三平のCG背景制作と、その映像活用の可能性について解説します。
1. ロケ撮影が抱える課題とは?
遠方ロケや文化財撮影では、以下のような課題が頻繁に発生します:
- 長距離移動と滞在費など、コストが高額になりやすい
- 文化財や公共施設では、撮影許可や立ち入り制限が厳しい
- 雨や雪、日照など天候に撮影が左右される
- 時間的・物理的にリテイクが難しい
特にテレビやCMなど短納期が求められる現場では、これらの要因がスケジュールを大きく圧迫します。
2. ロケ代替としてのCG背景とは
CG背景を活用すれば、実際にその場所に行かずに、あたかも現地でロケを行ったかのような映像をスタジオ内で撮影することが可能になります。
- 実在する場所を3DCGでリアルに再現
- スタジオ常設のグリーンバックと合成で撮影
- カメラトラッキングによりリアルな動き・視差も再現
この技術を活用すれば、ロケの手間・コストを削減しつつ、演出としての自由度はむしろ拡大します。
3.今後取り組む“CGロケ地化”の想定制作プロセス
森三平では現在、屋内スタジオや近距離撮影を中心にCG制作を行っていますが、今後は文化財や遠隔地などを“CGロケ地化”するための撮影プロセス構築にも取り組んでいく予定です。
特にドローンによる空撮を活用したスキャンは、広範囲かつ立体的な構造を高精度に取得できる手法として注目しており、今後の対応領域として拡張を予定しています。
実際の撮影自体は2〜3日程度で可能と見込まれますが、ドローンの飛行には事前の許可申請が必要で、最低でも10開庁日前(土日祝を除く)までの申請が求められるため、スケジュールには余裕を持った調整が不可欠です。
特に文化財のように管理者や地域の調整が必要なケースでは、さらに時間を要する場合があります。
こうした制度や実地制約をふまえ、今後は許可取得〜スキャン〜CG化〜スタジオ撮影までをトータルでサポートできる体制を構築していくことを目指しています。
4. CG背景の活用シーンと導入メリット
活用シーン:
- 歴史的建造物を背景にしたドキュメンタリーやCM
- 地方自治体の観光PR映像
- 撮影不可の文化財や立ち入り制限エリアでの映像演出
- テレビ番組での“疑似ロケ演出”
- 遠隔地×東京でのライブ収録(バーチャル空間との合成)
導入メリット:
- コスト削減:移動・人件費を大幅カット
- 柔軟な演出:天候・時間に左右されずに撮影可能
- 撮り直しが容易:スタジオ撮影だからこその安心感
- 文化財保護にも貢献:非接触での映像活用が可能
5. 文化財・地方創生との連携可能性
森三平では、CG化した文化財の背景を活用して、観光PR映像・教育番組・インバウンド施策への活用を視野に入れています。
また、CGライブラリとして蓄積した背景データを再活用し、地方自治体や歴史施設とのタイアップ・連携を強化する構想も進行中。
「撮影は難しいけれど見せたい場所」を、都内スタジオから自由に演出できる。
これは、地方の魅力を伝える新しい手段としても期待されています。なお、文化財の3D再現については撮影・スキャンが許可されている場合に限ります。事前に所有者や管理機関との調整が必要です。
なお、文化財の3D再現については撮影・スキャンが許可されている場合に限ります。事前に所有者や管理機関との調整が必要です。
6. まとめ:CGがひらく新たなロケ撮影のかたち
文化財や遠方ロケの代替手段として注目されてきたCG制作は、今では表現の幅を広げる手段としても活用が進んでいます。
森三平スタジオでは、スタジオ内でのCG合成を中心に対応していますが、今後はドローン空撮や文化財の再現といった新たな取り組みも進めていく予定です。文化財の記録や地方創生、ドキュメンタリー番組、CMなど、さまざまな分野でCGロケの活用が期待されており、これからさらにニーズが広がっていくと考えられます。
ロケが難しい現場や、新しい映像表現を模索している方は、ぜひ一度ご相談ください。